こんにちは。ikio(@ikio04731250)です。
中古物件を内見する際に、必ずチェックしておきたいのが分電盤。
物件に入ってから仲介業者と一緒にブレーカーを探す作業が、地味に楽しかったりしますよね。
稀に「え、こんなところにあるの!?」という場所に設置されていることもありますしw
さて、この分電盤。
本体の古さ(見た目)も気になるところですが、特にチェックしておきたいポイントとしてよく挙げられるのが「アンペア数」と「回路数(ブレーカーの数)」の2点です。
本記事では、このうちアンペア数にフォーカスしてまとめてみました。
アンペア数とは
アンペア数(A)は電流の大きさ(電気の流れの量)を示す単位で、家庭では「同時に使える電気の量」を意味します。
契約アンペア数が大きいほど、多くの家電を同時に使用できますが、その分、基本料金も高くなります。
そのため内見時には、分電盤に記載されているアンペア数を確認し、物件の用途に対して適切な容量かどうかを見るわけですね。
一般的な目安は以下の通りです。
・単身向けワンルーム(20~30A)
→逆に40Aなど、容量が大きすぎないか。
・戸建(40A~)
→ファミリー層向けの十分な容量か。
・オール電化(60A)
→電気使用量が多いので50Aでは足りない。
特に近年は、各部屋にエアコンがあるのが当たり前になってきています。
そのため回路数を増やす必要がありますし、築古の戸建で30A程度しかない場合は、交換が必要になるケースも多いです。
アンペア数の変更はブレーカーごと交換する必要があり、電力会社に連絡すると無料でやってくれるそうです※。
・・という記述を、ネット記事や書籍でよく見かけます。
無料で新しくなるなんて、これは活用しない手はないですよね!
が、これは全国共通の話ではありません。
※おそらく全てのケースで無料ではないと思われます。基本的には工事費が発生すると考える方が自然でしょう。
地域によっては使えない
この無料交換の話は、地域によっては使えません。
なぜなら電力会社ごとに契約方式が異なるためです。
実際、ikioのエリアである関電(関西電力)では、アンペア制ではなく最低料金制が採用されています。
そのため関電との契約では、そもそもアンペア数を選ぶ必要がありません。言い換えれば、契約者がアンペアを「変更」するという概念がない、ともいえます。
■北海道電力・東北電力・東京電力・中部電力・北陸電力・九州電力
電気料金の「基本料金」にアンペア契約が採用されています。
アンペア数によって基本料金が変わるため、あまり電気を使わないのであれば容量を下げて節約することも可能です。
■関西電力・中国電力・四国電力・沖縄電力
「基本料金」が電気の使用15kWhまではいくら、と料金が定まっています。これが最低料金です。
このため、アンペアオーバーで主幹ブレーカーが落ちるということがありません。なお、回路ブレーカーは普通に落ちますw
アンペア数の変更がない。つまり、無料交換ができないわけですねぇ。・・残念。
つまり、最低料金制の地域では、内見時にはアンペア数よりも回路数を重視する必要がある、ということになります。
分電盤交換の料金
ちなみにブレーカーの交換だけなら数千円。分電盤交換になると5~10万円程度。
築古物件の場合は、回路数の増設や機能追加、配線改修などが必要になり、さらに費用がかかることもあります。
先述の通り、近年は各部屋にエアコンが必須になってきています。
各部屋にエアコン用コンセントを増設する場合は配線改修・交換が必要になるでしょう。
配線からまるごとやると50万円近くかかる場合もあり得ます。
一方で、1か所だけコンセント追加の場合は、既存分電盤の近くまで線を引っ張ってきてブレーカーを追加するだけで済むため、1~2万円程度でできる場合もあります(見た目はあまり良くないですが)。
でも電気って、生活の中でもトップに重要なインフラですから、リフォームで安易にケチれない部分でもあります。
その改修費分の指値も検討しつつ、いくら費用が掛かりそうかを見極めると良いでしょう。
まとめ
ikio自身もネット記事や書籍を見て、「交換できるなんてええやん!」と思い、関電に問い合わせた際に言われた内容です。
いやぁ、何でも情報を鵜呑みにするものでもないですねw
たま~に、部屋ごとにひとつしかブレーカーが割り当てられてない物件もあります。そういった改修にお金がかかりそうな物件は、最初からスルーするのも現実的な判断だと思います。
逆に回路数が多いと、配線周りの改修は以前に行っている可能性が高いので、ここに掛ける費用が少なくてすみます。物件探しの目安のひとつとしてこういった視点があってもいいのではないでしょうか。
ikioも回路数やコンセント位置を内見時にしっかり確認し、電気工事が必要かを考え、より利回り計算の精度を上げていきたいと思います。
この事例のように地域差は「意外と何にでも」あります。
有名な書籍だからと真に受けないで、自分のことに落とし込んで考えて見ると、また違った結果になるかもしれません。
今回は以上です。
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