こんにちは。ikio(@ikio04731250)です。
賃貸物件のリノベーションにおいて、「壁紙の色や床材のトーンをどうするか」というテーマは、意外と軽視されがちです。
白いクロス、ナチュラルな木目調のフロア・・無難で、万人受けして、失敗も少ない。確かにその通り!何の間違いもありません。
でも、物件が市場に埋もれてしまっては意味がないですよね。
空室率がじわじわ高まる昨今で、競合との差別化を図る方法として色彩設計(カラー・プランニング)を空室対策のひとつとして捉える考え方が、浸透してきた感があります。
不動産投資のハウツー本や、本ブログのような記事、SNSなどでもよく目にします。
しかし、ここでひとつ問いかけたい。
色を変えるだけで、本当に差別化になっているのか?
今回は、色彩設計を主軸にした空室対策の実効性について、実体験を交えながら考察してみたいと思います。
色だけで「決まる」時代なのか?
「アクセントクロスを入れたら内見率が上がった」
「床をダークブラウンに変えたら高級感が出て即入居」
そんな声、よく耳にしませんか?
たしかに、色は人の感情にダイレクトに働きかける要素。視覚情報は脳に届く情報の約8割とも言われ、「第一印象」におけるインパクトは決して侮れません。
とはいえ、色を変えるだけで空室が埋まるかといえば、話はそう単純ではありません。
ikioも以前、築古物件で「壁の一部を青系のアクセントクロスに変更した」ことがあります。結果として、施工後すぐに入居が決まりました。
が、正直に言うと、色の効果だけで決まったとは思っていません。
なぜなら、その物件では以下のような大規模なリノベーションを同時に行っていたからです。
・間取り:4DK → 2LDKに変更
・クロスと床材の全面張り替え
・キッチンなど設備を新品交換
つまり、色は「決め手」ではあっても「決定打」ではなかった、というのがikioの見立てです。
色の「効きどころ」
とはいえ、色が空室対策において効く局面は確実に存在します!
効果を否定したいわけではないので、ここでその代表的なポイントを挙げてみます。
・写真映え
ネット集客では、まずサムネイルで「選ばれる」必要があります。このとき、色のコントラストや明暗のバランスが、視認性と印象を大きく左右します。
そう考えると、アクセントカラーはある意味ドレスコードとも言えそうです。
・記憶の定着
数件内見したあと、「あの部屋どれだっけ?」となりがちなのが賃貸あるある。そんな中でも、色が印象に残っていれば話は別。
白いクロス、ナチュラルな木目調のフロアの優等生コンビでは記憶に残りにくいと思いません?
・ターゲット訴求
若年層にはビビッドな色、大人層にはグレイッシュなトーンなど、好みに合わせた色づかいは有効です。
・・が、反響を見ていると、意外と年代による好みの傾向は明確ではないかもしれません。色への感度は個人差が大きいですね。
むしろ色以外の設備や間取りなどの要素で決めている人も多い印象です。
・低コストでの印象変化
全面リノベが難しい場合でも、壁一面の変更だけで空間の印象は大きく変わります。そう、壁一面で雰囲気をガラッ(柄?)と変えられる。壁紙だけにw
冗談はさておき、コストを抑えて「空室感」を払拭する最初の一手として、アクセントクロスは非常に優秀です。
もちろん、メリットだけではありません。
・誰が住むかわからない賃貸では、個性の出しすぎ=リスク
・写真映えしても、現地で圧迫感や違和感になるケースもある
・安価すぎるクロスでは、安っぽさが逆効果になることも
色はあくまで演出。料理における、主役の肉ではなく「最後の一つまみの調味料」くらいの立ち位置がちょうど良い気がします。
色は「武器」だが「主役」ではない
色彩設計は、確かに競合との差別化につながります。
でも、それはあくまで空間全体が整っていてこそ“効いてくる”のではないでしょうか。
繰り返しになりますが、色は「決め手」にはなっても、「決定打」にはなりにくい。
というか最近では、アクセントクロスやダークな床材が当たり前になってきていて、逆に「白いクロス+ナチュラル木目床」の方が差別化できているようにも感じる事すらありますw
もし「色だけで勝負」をするのであれば、その物件にはすでに立地・間取り・設備面で大きな弱点がないことが前提です。
色だけで勝負できる物件は、もともと「勝ち筋がある」物件です。
少なくとも、今の市況(ikioのエリア)では色だけで埋めるのは難しいように思います。
まとめ
一時期の不動産投資ブームの過熱もあり、今では色だけでなく、全体の「魅せ方」にこだわるリフォームが増えてきました。
肌感ですが、築古物件では、「とりあえずきれいにした」だけでは埋まりにくくなってきています。加えて、素人DIYによる表層リフォームは写真では映えても現地での印象が弱く、厳しいというのが正直な印象です。・・個人の感想です。
色は、あくまで「差を生む演出」のひとつ。
その効果を最大限に引き出すためには、「全体設計の中でどう生かすか」という視点が欠かせません。
デザインに正解はありませんし、まぁ極論好きなようにやるのが正解なのかもしれません。
でも、「どう魅せるか」にこだわる投資家だけが、今の時代に埋もれずに勝ち抜いていける。
色を通じて、そんな実感を再認識しています。
「色彩設計を取り入れるべきかどうか」ではなく、まずは物件の弱点を見極め、そこを補ったうえで“+α”として色で魅せる。
この順番をikioは大事にしたいな~と思います。
今回は以上です。
コメント