こんにちは。ikio(@ikio04731250)です。
地方や郊外での不動産投資の入口として、比較的手が届きやすい価格帯と扱いやすい規模感で、最初の一棟目に検討することの多い築古の木造アパート。
ただし、価格が安い=リスクが少ないではありません。
むしろ、「家賃収入の少ない小さなアパートだからこそ、少しのトラブルが経営に直結する」という厳しさもあります。
今回は「築30年超の木造アパート、しかも単身者向けの30㎡×6戸」という小ぶりなアパートを想定した内見ポイントをリストアップしています。
本記事では、内見する際のポイントを箇条書きでまとめてみました。
実際に内見されたいという方向けのチェックリストになればと思います。
立地・周辺環境(単身者が住みやすいか)
・最寄り駅、バス停までの距離:GoogleMapの数字に惑わされず、実際に歩いて確認。徒歩10分以内が理想。
・生活動線に必要な店舗:スーパー・コンビニ・ドラッグストア・クリーニング店の有無。飲食店やお弁当屋があるとなお良し。単身者はQOL(生活満足度)に敏感。
・大学、工場、事業所との距離:近隣に働き口や通学先があるか?単身者需要の理由が存在するかを確認。
・夜間の治安や雰囲気:街灯の数、人通り、騒音、路上駐車など、女性の一人暮らしを想定しても大丈夫か?が大事。
敷地と建物の基本チェック
・土地の形状、接道状況:旗竿地や2項道路だと再建築に制限あり。駐車場、もしくは駐輪場へのアクセスも確認。境界標の有無も見ておきたい。
・建蔽率、容積率の違反がないか:築古アパートでは、増築未登記や建築確認のないケースもある。建蔽、容積率は自治体のホームページや土木建築課などで調べられる。
・擁壁、高低差の有無:裏が崖地・擁壁ありだと、補修コストや災害リスクが跳ね上がる。また、坂道は入居者に敬遠される要素にもなる。
・浸水、ハザードエリアか:ハザードマップで浸水・液状化・土砂災害のリスクをチェック。
外観・共用部の状態
・屋根、外壁の劣化具合:スレート屋根の割れ、トタンのサビ。チョーキングがあれば塗り替え時期。外壁のヒビは雨漏りリスクなので、あるようなら内見でしっかり確認する。
・外階段、通路のサビ、劣化:鉄骨階段のサビ・ぐらつき・穴は命に関わる修繕対象。エアコン室外機の放水で錆びている事もよくある。
・ポスト、ゴミ置き場、自転車置き場:散らかり具合は管理の質や入居者を表す。チラシ・ゴミが多いと空室も疑うべき。
・水道メーター、電気メーター:スマートメーターだと良いが、そうでない場合交換費が必要な事も。空室の水道メーターでパイロットが回っていないか注意して見る。
・外灯や防犯対策:夜でも足元まで照らされており安全に出入りできるか。オートロックや防犯カメラは必須ではないが、地域によっては導入検討。
各住戸の室内チェックポイント(30㎡単身用)
・床の沈み、歪み、傾き:木造特有の経年劣化の確認。沈み込みや柱付近にフンが見られるようであればシロアリを疑う。
・間取りの使いやすさ:キッチンの配置、収納量、ベッドの置き場、テーブル設置の可否など実用面。
・キッチン、洗面、風呂の状態:ユニットバスの古さ、水垢、カビ臭。リフォーム予算に一番影響のある場所が水回りなので、特に念入りにチェック。
・室内の臭いと換気:前の住人の生活臭・タバコ臭が残っていないか。風通りが悪い場所はカビが生えて壁や床が脆くなっている事も。
・騒音の伝わり具合:隣室・上下の生活音、道路騒音、隣地からの音の影響。築古木造は特に音が通りやすいので、入居者同士のトラブルになる可能性もある。
・収納の容量と位置:単身者には必要最小限で十分だが、極端に少ないと選ばれにくい。
インフラ設備(給排水・ガス・電気)
・給排水管の素材と老朽具合:鉄管だと空室期間によっては錆・赤水の可能性大。交換履歴があれば安心。
・排水の流れと音、臭い:古いアパートでは配管の詰まり・逆流がよく起きる。水を流してチェック。ついでにシャワーや上水の勢いも確認しておくと良い。
・プロパンガス or 都市ガス:プロパンの場合、ガス会社の指定・契約条件も確認。契約を引き継げなければ設備一括買い上げなければならない場合もある。
・ブレーカー容量と分電盤:現代の家電に対応できるアンペア数(20~30A)があるか。特に近年はエアコン稼働時間が長いので、要注意。
修繕履歴・今後の見積もり
・屋根、外壁、階段など大規模修繕の履歴:していない場合、今後数百万単位の出費が控えている可能性あり。
・室内リフォームの有無:クロス・床材・水回りなど、内装済みか?それとも自分で直す必要があるか?
・修繕が必要そうなポイントをメモ:外壁の膨らみ、雨樋の破損、照明の不具合、隙間風など。
・シロアリ点検の有無:基礎部の蟻道の他、特に1階住戸で床下のチェックができるとベスト。築古木造では必須。
管理面と将来の出口
・現管理会社の対応力:ゴミ清掃やクレーム対応がどうか。月額管理費の内訳・対応範囲を確認。
・入居者の属性とトラブル有無:高齢者・生活保護・夜職など、偏りすぎていないか?今現在のトラブルも後々揉める事が多いので、最初に確認しておく。
・家賃水準と空室期間:現行賃料が適正か?周辺相場と乖離がないか?直近の空室期間も要確認。
・将来の出口戦略:築40年を超えた際に「売却できるか」「戸建転用できるか」などを想定しておく。
まとめ
今回想定したのは、「築30年以上・6戸・単身者向け小ぶり木造アパート」でした。
こうした小型アパートは、表面利回りが高く見える一方で、
・修繕リスク
・音、臭い、水回りなど住み心地の悪さ
・地味に効いてくる退去と原状回復費用
など、細かい「運用上の落とし穴」が多く存在します。
一戸空室になるだけで、家賃収入の16〜17%が吹っ飛ぶのも、6戸アパートならではのリスク。
だからこそ、「入居者が定着しやすいか?」「管理が行き届いているか?」という視点が、利回り以上に重要になってきます。
内見で「どこを見るべきか」を整理しましたが、問題が見つかったときの対処法も物件ごとに異なります。
そのため、場合によっては専門家の同行も視野に入れると安心です。仲介業者が建築に詳しくないケースもあるため、一人で判断せず、経験者の目を借りてくださいね。
今回は以上です。
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