退去理由を聞くだけでは意味がない。大家が見るべきは○○

賃貸運用・自主管理
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こんにちは。ikio(@ikio04731250)です。

「退去理由は何ですか?」
自主管理物件では直接聞きますし、管理会社経由でもこの質問をする機会があります。

転勤、結婚、転職、実家に戻る、子どもが生まれて手狭になった・・。
退去届には、いろいろな理由が書かれています。

しかし、この「退去理由」をそのまま信じていいのでしょうか?
なぜなら、退去理由には「きっかけ」と「本当の不満」が混ざっているからです。

店子
店子

転勤になったので退去します

たとえば、確かに転勤は退去の直接的な理由です。
でも、もし今の部屋を気に入っていれば、同じように退去したでしょうか。

本記事では退去理由の考察と、その後の対応についてまとめてみました。

「退去理由」は3種類に分けて考える

​退去理由を考えるときは、大きく3つに分けると分かりやすいと思っています。

■大家側ではどうしようもない理由
転勤、結婚、就職、卒業、家族構成の変化といったライフスタイルの変化ですね。
これは、どれだけ良い物件を作っても一定数は必ず発生します。


■物件そのものが原因になっている退去
家賃、間取り、設備、築年数、収納、駐車場、騒音、周辺環境などです。
周辺環境はどうしようもないですが、物件由来の事由は改善の余地がありそうです。


■管理が原因の退去
そして3つ目が、意外と見落としやすい理由です。

・修繕対応が遅い
・共用部が汚い
・近隣トラブルへの対応が悪い
・管理会社に連絡してもなかなか返事が来ない

​一つひとつは小さくても、ストレスが累積すれば「もうここには住みたくない」と思う理由になり得ます。

実際に管理会社の対応が遅く、入居者に強いストレスを与えていた事例があります。

​ある日、管理会社から「入居者様から浴室の扉が壊れていると連絡がありました」と連絡が来ました。
修繕が必要なので、「すぐに対応してください。また、かかった費用も教えてください」と返答しました。

​2ヶ月後、すっかり忘れた頃に再度管理会社から「見積もりが作成できましたのでご確認ください」と連絡が・・。
「いや、まだ修繕未対応だったのかよ!」と思いつつ、「その内容でいいので早く対応をお願いします」と返信しました。
しかし、職人の手配の関係(?)で、実際に修繕されたのはさらに1ヶ月後だったそうです。

​(管理会社経由だったので)それが原因とは明言されませんでしたが、その部屋からは半年後に退去連絡がありました。

あなたなら、どう思いますか?
​入居者からすれば「3ヶ月も放置されていた」形になるため、その心情はikioはよく理解できます。

ちなみに、この管理会社は大家側から見ても不満が多かったので、これをきっかけに変更しました。
変更するで。管理会社。

本当の退去理由は、退去届より「行動」に出る

​退去届で「何と言ったか」だけを見るのではなく、その前の「何をしていたか」を見るのも重要です。

・設備の不具合について何度も問い合わせていた
・家賃について質問するようになった
・(退去するつもりで)設備や契約について細かく確認してくる


​もちろん、これらだけで断定することはできませんが、ひとつの兆候として捉えることはできます。

また、「クレームがない=満足している」ではないということにも留意する必要があります。
不満を何度も伝える人もいれば、何も言わずにそのまま出ていく人もいます。

大家からすると、後者のほうが怖いです。
何が悪かったのか分からないまま、次の入居者を迎えることになりますからね。

入居したばかりの頃は、むしろクレーム(不具合の指摘)がある方が健全です。住み始めないと見えない不具合は必ずありますからね。

​個人的には、初期に不具合報告をしてくれる入居者のほうが、結果的に長く借りてくれる傾向があると感じています。

入居者は「不満」ではなく「比較」で退去する

入居者は突然、「この部屋が嫌いになった」から退去するとは限りません。
むしろ、「同じくらいの家賃なら、もっといい部屋がある」と思ったときに、引っ越しを具体的に考え始めます。

ここが、大家として一番意識したいところに感じます。

・新築やリフォーム済みの物件が増えていないか
・同じ家賃帯で、どんな設備が付いているのか


見るべきなのは「自分の物件の欠点」だけではなく、入居者が比較している相手を知ることです。

同じく、募集時には競合分析を行うことで選ばれやすい物件に仕上げることもできます。
いずれにしても、ポータルサイトチェック程度で良いので、定期的な競合分析は欠かせません。

退去理由を当てる必要はない


※AI生成イメージ

結局のところ、退去する「本当の理由」を100%知ることは不可能です。
本人ですら、自分がなぜ引っ越したのかを完全に言語化できない場合もありますw

大家としては、改善できるチャンスではありますが、退去理由を当てるゲームにする必要はないと思っています。

①退去理由を集める(退去届に記入欄を設けるなど)
②似た理由を分類する(=解決策もセットで記録)
③自分の物件側に問題がないか考える
④周辺の競合物件と比較・改善する
⑤その後の入居率や退去状況で答え合わせ

というサイクルを作ることが大事に思います。
「この人が出ていった原因は、次の人にも起こり得るか」を確認するわけですね。
そのため、クレーム記録や修繕記録はしっかり残しておくべきです。

ikioは退去者を単なる「出ていった人」として見るより、「最後に自分の物件を採点してくれた顧客」として見るほうが、有益だと考えるようにしています。

自主管理物件では退去時に直接話す機会がありますので、「次の物件では何を重視しましたか?」「ぶっちゃけ、なにか不満ありましたか?」など聞いて参考にしています。

参考記事はこちら
自主管理の退去立ち合い

まとめ

​退去が発生すると大家にはコストがかかるため、できれば避けたい出来事です。

​しかし見方を変えれば、退去者は実際にその物件に住み、毎月お金を払ってくれていた「顧客」です。

何人も退去しているのに、「転勤」「結婚」「転職」という表面上の理由だけを集計して、「まあ、仕方ないよね」で終わらせてしまっては意味がありません。
それでは、同じ退去がまた繰り返されるかもしれませんからね。

​せっかくの機会ですので、次のように活かしていきたいものです。

■退去理由を聞く(または状況から推測する)
・それは「きっかけ」か「不満」か
・次の物件で何を重視したか
・物件の家賃・築年数・設備はどうか
■可能であれば、入居中の他の部屋の方にもヒアリング

・設備不満はあるか
・生活環境はどうか
■改善できる部分は少しずつ変えていく

・同じ理由で他の入居者も退去する可能性があるなら優先度高くする

大家に必要なのは、退去理由を完璧に知る能力ではなく、退去を「次の退去を防ぐためのデータ」に変える視点なのだと思います。

今回は以上です。