こんにちは。ikio(@ikio04731250)です。
先日、業界激震のニュースが報道されました。
兵庫県加西市が、令和8年4月1日より市街化調整区域が「全廃」になった・・という内容です。
▶区域区分(線引き)廃止に向けた取り組み
※加西市HPに移動します
プレス自体は2025年(令和7年)3月にあり、ようやくそれが実行された形です。
市内面積の約75%、そこに人口の約6割が暮らすエリアが、原則として家を建てられない土地だった。その前提が崩れようとしています。
つまり、これまで価値がつきにくかった土地が「商品化」される可能性が出てきたということです。不動産投資家にとっては、見逃せない転換点です。
一見すると地方都市のローカルなニュースですが、この動きは不動産投資を考えるすべての人に関係があります。
ikioは兵庫県内で賃貸経営を行い、農地も保有していますが、今回の動きは単なる規制緩和ではなく、「不動産の価値の決まり方そのものが変わる可能性」を感じました。
なぜ「全廃」という極端な策に出たのか?
これまでの都市計画は「市街地を広げすぎない」ための抑制が前提でした。しかし、人口減少が進む地方では、その前提が崩れています。
今は「拡散を防ぐ」よりも「どこでもいいから住んでもらう」ことが優先される、という時代を象徴するようなニュースではないでしょうか。
上記画像(令和8年2月28日時)の加西市の状況を整理すると、異常さがよくわかります。
市内の約75%が調整区域でありながら、そこに人口の約6割が実際に住んでいる。つまり「本来、家を建てることが想定されていないエリア」に、大多数の市民が暮らしているという矛盾が長年放置されてきました。
既存不適格になった建物が流通せず、老朽化しても建て替えができない。その結果、空き家が増え、資産価値は下がり続ける。今回の全廃は、そうした構造的な詰まりを一気に解消しようとする、ある意味劇薬ともいえます。
市独自のルールで開発がコントロールできるようになるので、住宅に限らず、工場や店舗などの新設が従来より柔軟に可能になります。これは人の流入にかなりプラスですよね。
大家目線での考察
①再建築制限という最大の壁が消える
言い換えると、「事故物件レベルで安かった理由」が一つ消えるということです。
これまで融資がつかなかった土地や、極端に安く放置されていた物件にも光が当たる可能性があります。
■ikioの一言
当然考えられるのが、参入障壁が下がるということはライバルが増えるということです。
これまで“安く仕込めた人”の優位性は確実に薄れます。
②土地価格の二極化が加速する
これが一番の懸念点です。
「建てられる=全部値上がりする」と考えるのは危険です。むしろ、“今まで規制で守られていた土地”は一気に競争にさらされます。
人口減少は継続される前提で、実際にはインフラが整っていて道路付けの良い土地は評価される一方、不便な場所や条件の悪い土地は、引き続き買い手がつかないと思います。
■ikioの一言
つまり、「調整区域だから安い」という時代が終わり、純粋に立地と利便性の勝負になります。評価が高まるエリアは良いですが、逆だと・・です。
③農業×不動産の変化
調整区域の廃止で開発は柔軟になる一方、農地転用の手続きは逆に厳格化されます。現役農家にとっては営農環境が守られる安心材料ですが、農地を持て余している地主にとってはピンチともいえます。
特に農地転用(※)が難しくなります。
これまで市街化区域では例外的に届出で済んでいたものが、今後は原則通り許可制に戻るわけです。
令和8年3月31日まで(変更前)
・市街化区域 → 届出制(農業委員会)
・市街化調整区域 → 許可制(県知事の許可)
令和8年4月1日以降(変更後)
・市街化区域 → 許可制(県知事の許可)
・市街化調整区域 → 許可制(県知事の許可)
※農地転用=農地を宅地や駐車場に変えること
■ikioの一言
兵庫県内に農地を保有している身としては、「今回の変化が波及するなら将来的な選択肢が広がるかもしれない」という期待がないわけではありません。
他の自治体にどう波及するのかも含め、今後の動きを冷静に追い続けていきたいです。
見落とされがちな副作用
多くの人は「値上がり」に注目しますが、当然、マイナス面も考慮しなければいけません。
■固定資産税の上昇
「建てられる土地」として評価が上がれば、固定資産税・都市計画税の負担増は避けられないです。特に広い農地や山林を保有している地主は、収益が生まれる前に税負担だけが先行するリスクがあると言えます。
評価替えのタイミングと自分の保有資産を照らし合わせて、キャッシュフローへの影響を試算しておきたいですね。
■供給過剰による家賃下落
開発が解禁されれば、当然ながら新築物件の供給が増えるはず。しかし、加西市の人口はすでに減少トレンドにあり、需要が増えるわけではない。
つまり「パイが増えない中で競合だけが増える」状況になりかねないわけです。既存の築古物件オーナーは、差別化戦略を整えなければ、競争力を失うリスクがあります。
実際の収益に影響するのはこうしたランニングコストや需給バランスです。
良い面だけではなく、今後起こり得る「悪いシナリオ」も想定しておく必要がありますね。
まとめ
ikioは今は買いません。
理由はシンプルで、「ルールが完全に固まる前の市場は一番リスクが高い」からです。
なので現時点では無理に動く必要はないと思います。このニュースだけで飛びつくと大やけどになるかも。
この改正がどういう結果を生むのかは、まだこれからです。ルールや実態が固まるまで短期的には「様子見」が基本ではないでしょうか。
少しずつ、市場に変化が見られれば、長期目線で選別して仕込むチャンスが生まれるかもしれません。
■今できること
①加西市内に物件・土地を持っている人
売却・建て替え・用途変更、3つの出口を今のうちに不動産会社へ相談する。また、固定資産税の評価替えタイミング(次回は2027年)を把握しておくことが大事です。
②加西市周辺エリアで投資を検討している人
実際に市場に反応があるまで(目安:2027年以降)は購入判断を急がない。ただし「どのエリアなら買えるか」の基準を今から整理しておくべきです。
具体的には、
・元調整区域の中でも再建築不可 or 制限強かった物件を拾う
→融資がつくようになる可能性があるからです。今後買い手が一気に増えるかも。
・上下水道の整備状況・道路幅員6m以上・主要駅徒歩10分以内、この3点を軸にリストアップ
→元々インフラの強かった土地を狙う。二極化の勝つ側に乗る感じです。
・開発許可が通りそうなエリア、行政の方針に沿う場所を狙う
→ギャンブルです。読みを外せば負動産になることもあるので、情報精度が命です。
③直接関係ないと思っている人
同様の動きが他自治体に波及するかを注視する(特に兵庫県内・人口減少が進む地方都市)。「調整区域だから安い」という従来の買い方の前提が崩れる可能性を頭に入れておくと良いです。
今回の規制緩和は確かにチャンスです。
しかし、「誰でも建てられる=競争が増える」という市場原理は変わりません。
また、開発許可が必要なのも従来通りですから、一概にどこでも建てられるようになるというわけではないことも留意するべきです。
「負動産」が「お宝」に変わる可能性はある一方で、見極めを誤れば、ただのリスクにもなり得ます。
今回は以上です。
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