家賃を下げる前に試したい、0円からできる空室対策

初心者のマインドセット
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こんにちは。ikio(@ikio04731250)です。

想像してみてください。
空室が出た際、あなたはまず何を考えるでしょうか?

・家賃を下げようかな
・設備を更新しようかな
・それとも、現状維持にするか


特に家賃の変更は影響が大きいですよね。

もちろん、そうした抜本的な対策が必要になることもあります。
ただ、その前に一つ考えてみたいことがあります。

そもそも入居希望者は、なぜ数ある部屋の中から「この部屋にしよう」と決めるのでしょうか?

検討者A
検討者A

検索一覧でパッと目に入ったから

検討者B
検討者B

内見してみて、悪くなかったから

検討者C
検討者C

不動産屋にすすめられたから

おそらく明確な一つの理由というよりは、直感や小さな判断の積み重ねによるものではないでしょうか。

今回は、選択肢を強制するのではなく「本人の自由な選択を残したまま」行動しやすい方向へそっと後押しする仕掛けを、行動経済学に当てはめて考えてみたいと思います。

【0円】良い部屋より選びやすい部屋


例えば、以下のような3つの物件があったとします。

A:家賃5万円 / 16㎡ / 駅から徒歩3分 / 和室 / 設備全般が古い
B:家賃6万円 / 30㎡ / 駅から徒歩10分 / エアコンだけが古い
C:家賃7万円 / 25㎡ / 駅から徒歩15分 / 新築

スペックだけ見ればCが最も新しく住み心地が良さそうですが、誰もがCを選ぶとは限りません。

すべてに当てはまるわけではありませんが、人は無意識に比較対象があると、両極端を避けて中間を選びたくなる傾向があります。

物件B単体では単なる「6万円の部屋」ですが、条件の極端なAとCが並ぶことで、「ちょうどいい真ん中の部屋」という別の意味を持ち始めます(妥協効果)。

ここは大家の腕のみせどころです。

立地や広さは後から変えられませんが、周辺の競合物件と条件を比較し、自分の物件がどのポジションにあるのかを把握する。
あえて「中間」に位置するような見せ方を整えれば、比較的「選ばれやすい条件」を作り出すことができます。

【0円】内見では「最初に何が見えるか」

次に、内見時の心理を考えてみます。
入居希望者がドアを開けて部屋に入った瞬間、最初に何を見るでしょうか。

・玄関
・廊下
・リビング
・窓からの景色
・収納

重視する場所は人それぞれですが、少なくとも「部屋全体を一瞬で客観的・公平に評価する」わけではありません。
人間の第一印象は、最初に目に入った情報に強く引っ張られます。

であれば、最初に視界に入る場所が雑然としているより、すっきり整っている方が圧倒的に好印象です。

・眺望が売りなら、窓までの動線に物を置かず視線を遮らない
・収納力が売りなら、あらかじめ扉を開けておき、広さをアピールする
・部屋の広さを強調したいなら、余計な家具(ステージング)を置かずに空間を見せる

このように「ただ部屋をきれいにする」のではなく、「入居者の視線の動きを計算して整える」ことが重要になります(ナッジ効果)。

これは大規模なリフォームを検討する前に、ぜひ試したいポイントです。
掃除や扉の開閉、照明の工夫など、お金をかけず小さな変更で検証できます。

【少額】入居者が迷うポイントを一つだけ減らしてみる

条件面で大きな問題がなくても、人によっては「ここだけがちょっと気になる・・」というポイントが出てくるものです。

先ほどの例で言えば、物件Bはエアコンの古さに不満が出る可能性が高いでしょう。
そこで「今月中にご成約の場合、新品エアコンプレゼント」といったキャンペーンを提示し、あらかじめ懸念点を潰しておきます(インセンティブ/販売促進)。

そうすることで、「消去法で選ばれていた部屋」が「納得して選ぶ条件の良い部屋」に変わります。
遅かれ早かれ設備は交換する時期が来るのですから、長い目で見れば決して損のない投資です。

ikioが実践してみたこと

実際に募集時に試してみました。
もちろん、これらの施策だけが成約につながったと断言はできません。

ただ、夏〜秋の閑散期でも半月に1度ほど内見が入っていたので、「募集条件を変える前に、見せ方を工夫する」という選択肢は十分試す価値があると感じました。

こちらも参考にしてください。
空室対策!地方で決まらない理由5つ
敷金礼金ゼロで反響3倍▶2週間で成約した話


■ターゲットの絞り込み
ターゲットを明確に絞り込んだメッセージを発信した方が、結果として刺さる広告になり、反響があったように感じます。

・収納が大きい部屋の場合
単に「収納豊富」と書くよりも、「家具をあまり増やしたくない一人暮らし向け」と表現した方が、ミニマリストやインテリアにこだわりのある層に響きます。

駅から少し離れているが、周辺施設が充実している部屋の場合
「スーパー・コンビニまで徒歩〇分」と生活利便性の高さを押し出すことで、在宅ワーカーや自営業の方に魅力的に映ると思われます。

部屋のスペック自体は何も変えていません。
言葉選びを工夫し、「誰の生活に役立つ部屋なのか」が相手にストレートに伝えているだけです。


■ステージング
ファミリー向けの戸建は広さも十分あるので、生活を想像しやすいように家具を置いてより魅力的な見せ方をします。

・間接照明
自然光以外にも、灯りがあると単純に色彩豊かに見えます。また、夕方~夜間の時でも暗い印象を与えにくくなります。

・ペット用品
ペット可の物件では、リビングに木製のあみ籠を置いて、その中にグリーンとペットの人形を入れたりしました。実際にその物件はペット飼育希望者が借りてくれました。

「人を操る」のとは違う

「行動経済学」や「心理」という言葉を使うと、「言葉巧みに入居者を誘導するのではないか」とネガティブに捉えられるかもしれません。
しかし、空室対策の本質はそこにはありません。

・不利な条件を隠す
・比較対象を意図的に悪く見せる
・解約しづらい仕組みにする
・不要なオプションを分かりにくく付加する


こうした不誠実なやり方は、一時的に契約が取れたとしても、長期的には入居者や仲介業者との信頼関係を壊します。

大家が目指すべきなのは「強引に契約させること」ではなく、「その人に合った部屋を、迷わずに選べる状態を作ること」ではないでしょうか。

まとめ

空室が出たから、とりあえず家賃を下げる。

その前に、「入居希望者は、どの段階でこの部屋を候補から外しているのだろう?」とプロセスを観察してみることが大切です。

・検索画面 →募集分を変えてみる
・物件写真 →1枚目を変えてみる
・問い合わせ対応 →客付け業者と打ち合わせ
・初期費用 →インセンティブの検討
・実際の内見対応 →視線を意識する

それらのプロセスを見直し、「離脱ポイント(ボトルネック)」を一つ見つけて改善してみる。

家賃を1万円下げる前に、まずは数十円〜数百円、あるいは工夫次第でタダでできる改善を試してみてください。
(気づけば0円対策以外にもお金のかかる対策も書いてましたね・・)

個人的には、空室対策とは、物件そのものを改修することだけではないと考えます。
入居者が「この部屋にしよう」と決めるまでの道筋を整え、選びやすくしてあげること。それもまた、大家にできる立派な空室対策です。

次に空室が出たとき、家賃表や募集図面を見直す前に、まずはどこを見直してみますか?
案外、家賃を下げずに満室にできるヒントは、思いがけないところに隠れているかもしれません。

今回は以上です。