観光地の投資は甘くない?出石町で利回りを試算してみた

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こんにちは。ikio(@ikio04731250)です。

観光地として人気の街は、不動産投資先としても魅力的なのか?
不動産投資として誰もが一度は考えることです。

なぜ兵庫県豊岡市の出石町(いずしちょう)なのかって?
先日、プライベートの旅行でたまたま出石町に行ってきたからですw

出石といえば、やはり城下町の風情と皿そば。古い町並みを歩きながら、のんびり観光を楽しんできました。

・・と言いたいところなのですが、不動産投資を始めてから、どうも旅行の楽しみ方が少し変わってしまいました。

町を歩いていると、どうしても目に入ってくるんです。

ikio
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この家、空き家かな?

ikio
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ここで暮らす人って、どんな人なんだろう?

完全に職業病ですw

観光客として見る出石と、不動産投資家として見る出石

出石町を歩いていると、観光客でにぎわっている場所と、少し離れた住宅地では、町の雰囲気がかなり違うことに気づきます。

■観光地エリア
出石城跡や辰鼓楼(しんころう)を中心に、蕎麦屋や土産物店が軒を連ねる平屋や戸建てが広がります。
広大なエリアではありませんが、蕎麦屋のおばちゃん曰く、ここに40店舗ほどの蕎麦屋が集まっているそうで、観光客が2~3店ハシゴするのも珍しくないそうです。

■住宅エリア
観光エリアを少し外れると、そこには普通の住宅地が広がっています。ベランダに洗濯物が干されていたり、家の前には自転車が停まっていたり。
辰鼓楼から離れれば離れるほど、家の間隔は空いていき、山里の雰囲気になっていきます。古き良き田舎のイメージと言えば伝わるでしょうか。


なお、出石城下町周辺では建築物に一定の規制があるため、大型の集合住宅などは建てにくいようです(※)。
また、規制のかかる範囲もそこそこ広く、同じ古都の京都市とはまた違った難しさがあるように感じました。

※出石城下町周辺は、国の重要伝統的建造物群保存地区(伝建地区)に選定されているため。


ここでふと思いました。
「観光客がたくさん来る街だからといって、賃貸需要も強いとは限らないよな」と。

「観光地として魅力的」と「投資先として魅力的」は違う

出石のような歴史のある観光地を歩いていると、「こんな素敵な場所なら不動産の価値も高そう」と単純に考えてしまいそうになります。
ただ、不動産賃貸業の視点で考えると、そもそも物件を借りる人がいなければ事業は成り立ちません。

■テナント需要で考えてみる
例えば、同じ伝建地区でも京都市の産寧坂(三年坂)であれば、京都駅から車で15〜20分程度と近く、観光客で絶えず賑わっています。
ここは分かりやすく、お土産屋や飲食店としての需要が高く、店子も引く手あまたでしょう。

しかし、出石町の場合は自家用車以外の公共交通機関だと、JR豊岡駅からバスで30分ほどかかってしまいます。
観光地としては最高の立地でも、車がないと需要は拾いきれないかもしれません。


■住居として考えてみる
まずは、アパートなのか、戸建てなのか。
集合住宅は伝建地区の規制もあるため、大型のものを建てるのは難しい。かと言って戸建てだけでは事業規模(ロット)として小さく、大きな利益は見込みにくいです。

仮にファミリーで暮らすとして、「ここに住み続けたい」と思える需要や、生活を支える安定した雇用が十分にあるかまでは分からないのが正直なところです。

また、ここでも移動の問題が出てきます。
近隣の病院や買い物など、日常の暮らしには車が必須になるでしょう。

こう考えると、「人気の街だから投資する」という判断が、いかに単純ではないかが分かります。


もし出石で投資するとしたら?

①古民家を「店舗+住居」にする
王道ですね。
1階を蕎麦屋、お土産店、カフェ(意外と少ない)、伝統工芸の工房など
2階を住居または、休憩エリアなど

観光地としての強みを活かした用途になりますので、城下町近くでないと厳しいかもしれません。
城下町徒歩圏内の連棟物件で、価格は数百万円程度。

募集中の物件を見てみると、テナントの坪単価は900〜1,000円ほどです。
物件次第ですが、ある程度広めの物件を取得しないと利回りが悪そうです。

■20坪物件:300万円で購入の場合の表面利回り
24万円(年間賃料)÷ 300万円 = 8%

■100坪物件:500万円で購入の場合の表面利回り
108万円(年間賃料)÷ 500万円 = 21.6%

ただし、物件規模が大きくなると修繕費や維持費も上がるので、実際には100坪規模でも改修500万+固定資産税+保険料+空室率などを入れたNOIベースなら実質利回りは10%前半に落ち着くと思います。




②事業用地
土地を調べると、城下町近くで坪5~8万円、郊外だと坪1.5~3万円程度で売り出されています。
空き家を解体して活用することも考えられますが、再建築不可などのリスクや手間を考えると、空き家はそのまま活かしたいところ。
個人的には車が必須である以上、城下町周辺でも郊外でも、駐車場や資材置き場としての需要はあると考えています。

駐車場は5,000円前後で募集されているようです。
駐車1台に必要な広さを5坪として計算してみます。

■城下町周辺の土地(坪5~8万円)
購入価格を坪7万円と仮定。

・4台分の表面利回り
24万円(年間賃料)÷ 280万円(通路を含め40坪で計算)= 8.5%


■郊外の土地(坪1.5~3万円)
購入価格を坪2万円と仮定。

・10台分の表面利回り
60万円(年間賃料)÷ 200万円(通路を含め100坪で計算)= 30%


ただし、郊外では1台あたり5,000円の賃料設定は厳しい可能性があります。価格を1/3程度(利回り10%前後)で手堅く見込むのが無難かと思います。

③民泊
観光地といえば、ですが、民泊は少し厳しい市場だと思ってます。
城下町周辺の駐車場を見ると、「大阪・なにわ・和泉」「京都」「神戸・姫路」など、近隣ナンバーがかなり多いです。
つまり、泊りがけで行くより日帰り旅行として近隣から訪れる場所と思うからです。
民泊を検討する際には、かなり綿密な調査(と運営方法の確立)をする必要があると思います。


そう考えると、利回りは案外普通ですね。
これくらいの数値であれば、あえて出石で投資する必然性は薄いように感じてしまいます。

今後の見通しとして、観光地や住宅地として伸びていく確信が持てるなら、投資対象として検討してもいいかもしれません。

ただ、実際のデータを見ると地価は前年比▲1.3%となっており、県の鑑定評価でも郊外集落における住宅需要の回復は見込みにくいとされています(※1)。

豊岡市全体の人口推移も減少傾向がありますが(※2)、出石地域は大正の頃から人口が1万人前後と大きく変動はしていません。
逆に言うと、新規流入がないとも言えますし、人口が維持されているように見えても、世帯数や年齢構成を見ると緩やかに人口減少しているのもデータとして出ています。

※1出典:鑑定評価書(令和7年地価調査)(兵庫県)
※2出典:豊岡市の世帯および人口の推移(豊岡市HP)

ikioなら、出石でも他エリアと同じく相続物件を狙うと思います。
遠方在住で持て余してて、市場価格より安くても手放したいパターンのものですね。

これであれば、仕入れが更に低くなり、投資対象として魅力的になるはずです。まぁ、そんなにポンポンと出てくるものでもないので、実際には難しいところですが・・。

出石だから投資する、というより「安く仕入れられる理由があるなら投資する」というのが正解なのかもしれません。

まとめ

個人的には大好きな雰囲気の町なのですが、投資対象として考えた場合は少し厳しい印象でした。
表面的に見る感じでは、と付け加えておきます。
もう少し真剣に取り組むなら、もっと精緻な調査は必要でしょう。

出石に限らず、不動産投資を始める前のikioは、旅行先の街をただの「観光地」として眺めていました。
ところが今では、住宅や空き家、駐車場、店舗ばかりが妙に気になってしまいます。
これはこれで、ちょっと困った癖ですw

ですが、不動産投資を始めたことで、街を見る視点が一つ増えました。
華やかな観光地のすぐ隣にも、普通の住宅があり、日々の暮らしが存在しています。

そして、不動産投資で本当に注目すべきなのは、案外そういう「普通の暮らし」のほうなのかもしれません。

次に旅行へ行くときも、きっと無意識に物件を探してしまうかも。
皆さんは同行者に迷惑を掛けない程度に考えてみてくださいw

今回は以上です。