こんにちは。ikio(@ikio04731250)です。
不動産投資の物件情報を見るとき、最初に目に入る数字のひとつが「表面利回り」ではないでしょうか。利回りが高ければ、それだけ効率よく収益を得られそうに感じますよね。
しかし、実際に物件を保有してみると、表面だけ高利回りでも、経費と返済条件次第では赤字になる落とし穴があります。
ikioが保有している区分マンションの中に、以下のようなスペックの物件があります。
・表面利回り16.1%
・実質利回り9.6%
・経費率は39%
・現金購入
今回はこの物件を実例に、表面利回りと実質利回りの違い、経費の考え方、そして「現金購入」と「融資購入」で収支がどう変わるのかについて解説していきます。
表面利回り16.1%でも、実質利回りは9.6%
まず、今回ご紹介する区分のスペックのおさらいです。
・表面利回り16.1%
・実質利回り9.6%
・経費率は39%
・現金購入
表面利回り16.1%という数字だけを見ると、かなり収益性の高い魅力的な物件に見えます。
しかし、実際に物件を運用する上では、さまざまな支出(経費)が必ず発生します。
その経費を考慮して計算した数字が「実質利回り(ネット利回り)」です。
今回の物件では、表面利回り16.1%に対して実質利回りは9.6%。
この差を見るだけでも、経費がいかに収益性(手残り)へ大きな影響を与えるかがお分かりいただけるのではないでしょうか?
「表面利回りが高いこと」と「実際に手元にお金が残ること」は、必ずしもイコールではないということですね。
経費率39%の内訳は、簡単には削れない支出

じゃあ、経費を削ればいいじゃん!
・・と言いたいところですが、そんな単純な話ではないんですよね。
その理由は、経費の内訳を見れば分かります。
【主な経費の内訳】
・管理費
・修繕積立金
・固定資産税
・火災保険料
いずれも、区分マンションを保有するうえで避けては通れない必須の支出です。
・管理費・修繕積立金
マンションの共用部の管理や建物の維持修繕のために、管理組合へ納める費用です。オーナーの都合で「収益性を上げたいから支払いをやめる」なんてことはできません。
支払いを拒否すれば滞納となり、最終的には裁判沙汰に発展してしまいます。
なお、築古物件は家賃が下がりやすいのに、これらが高くなる傾向があります。ここが中古区分で最も気を付ける部分です。
・固定資産税
物件を保有している限り、毎年発生する税金です。これも滞納すれば口座や物件を差し押さえられてしまいます。
・火災保険料
補償内容や契約条件の見直しは可能ですが、万が一に備える必要な補償まで安易に削るべきではありません。
そもそも区分マンションの保険料はファミリータイプであってもそこまで高額ではないため、見直したところでコスト削減効果は微々たるものです。
つまりこの物件は、「経費率が高いからといって、簡単には削減・改善できない構造」になっているのです。
不動産投資では、経費率が高いと「どう削るか」と考えがちですが、購入前の段階で「削減できない経費がどのくらいあるか」を把握しておくことが極めて重要です。
購入後に「経費を削ればいいや」と楽観的な収支計画を立ててしまうと、思い通りに収益が出ず行き詰まるリスクがあります。
現金購入だから回る。融資を利用するとどうなる?

※AI生成イメージ
本物件において、もうひとつ非常に重要なのが「購入方法」です。
ikioはこの物件を現金で購入しています。そのため、毎月のローン返済が発生しません。
では、仮に同じ物件を「融資(ローン)」で購入していたらどうなっていたでしょうか?
管理費、修繕積立金、固定資産税、火災保険料といった固定経費は、融資を利用しても変わりなく発生します。そこに毎月の「ローン元金返済+利息」が重なることになります。
仮に、借入額を310万円、金利年1.5%(元利均等返済・ボーナス払いなし・返済期間10年)で融資を受けて購入した場合を試算してみます。
毎月の返済額は約2.8万円。
返済額 ÷ 家賃収入を返済率とします。この場合は返済比率が65%を超え、さらに家賃から経費と返済を引いたローン返済後のキャッシュフローはマイナスとなります。
つまり、家賃収入だけでは支出を賄えず、毎月持ち出しが発生する計算です!(※)
※物件の詳細な収支は非公開としているため、試算は参考値としてご覧ください。
表面利回りが16%以上もある優良物件に見えたものが、融資を通した途端に「持っているだけでお金が減る物件」に早変わりしてしまうのです。
物件そのもののポテンシャルが同じであっても、資金調達の方法次第で最終的に手元に残るキャッシュフローは天と地ほど変わります。
もちろん、融資を利用すること自体が悪いわけではありません。借入額や金利、返済期間、購入価格のバランス次第で結果は変わります。
しかし、「表面利回りが高いから」という理由だけで安易に融資を使って購入すると、高額な管理費・積立金とローン返済の重圧により、首が回らなくなる事例の典型と言えます。
まとめ
今回の実例から、区分マンションを検討する際には、最低限以下の3点を確認しておく必要があると分かります。
1. 管理費と修繕積立金の額(および将来の値上げ予定)
家賃収入に対してこれらの固定費が何%を占めるかを確認します。また、購入前に「修繕積立金の改定予定(計画)」がないかも重要です。
2. 固定資産税・保険料を含めた「実質利回り」の試算
物件概要書に書かれた利回りを鵜呑みにせず、実際に発生するすべての経費を組み込んで収益性を計算します。
3. 融資利用時の「返済後キャッシュフロー」の試算
ローン返済を差し引いた後に手元にいくら残るか、空室や突発的な修繕が発生しても破綻しないかをシミュレーションします。
また、購入前の内見時には共用部の管理状態だけでなく、管理総会の議事録や修繕積立金の積立状況・値上げ予定も必ずチェックしておくのは鉄則です。
ikioの場合、この物件は「現金購入だったからこそ収支が回っている」状態です。もし融資を使っていたら、収支は目も当てられない状況になっていたでしょう。
投資経験が浅い初期に購入してしまったため、「損はしていないものの、投資妙味(資金効率)が薄いまま保有し続ける」ということになってしまいました。
まぁ・・、損は出ていないものの、ポートフォリオの入れ替え候補筆頭であることは間違いありませんw
この物件の売却検討について書いた記事はこちら。
▶物件売却を考える①
すべての区分マンションがこのような状況になるわけではありません。
しかし、表面利回りという「見かけの数字」だけに惑わされると、思わぬ罠にハマってしまいます。
これから物件を購入される方は、ぜひ表面利回りだけでなく「経費の内訳」や「融資を通した後の純キャッシュフロー」まで計算した上で、納得のいく投資判断をしてみてくださいね。
すでに区分マンションをお持ちの方も、一度ご自身の物件の経費率や返済後キャッシュフローを再点検してみると、新しい気づきがあるかもしれません。
今回は以上です。