購入価格が土地と建物に分かれていない!場合の減価償却計算

不動産賃貸業
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こんにちは。ikio(@ikio04731250)です。

不動産投資を行う方は皆ご存じ減価償却費。取得した資産の耐用年数に応じて費用として計上でき、利益を抑える=税金を抑える事のできる制度ですね。
まぁ売却する時に結局は…ですが、物件購入初期に利益を確保できるので、特に駆け出し大家は助かる事も多いと思います。

今回は区分マンション購入時に、売買契約書の中に「売買金額○○円」と一括で書かれている場合の減価償却費の計算の記録です。

減価償却費を求めるには?

減価償却は主に2種あり、定額法定率法です。
違いは割愛しますが、税務署への申請もなく資金計画も立てやすいので、個人事業主の場合は、一般的に定額法を用いる事が多いのではないでしょうか。今回は「建物」だけですが、定額法で計算します。


定額法
減価償却費=取得価額×償却率



必要になる情報が、取得価額耐用年数です。耐用年数は償却率を求める際に必要になります。
耐用年数は構造と建築年数で変わってきますが、今回はRC造築48年とします。
耐用年数の全てを経過していますので、法定耐用年数×20%で償却率を求めます。

取得価額は購入価格から求められます。
これも計算方法はいくつかありますが、固定資産税評価額に基づいて按分する方法を取ります。

この他に購入に要した費用も含めます。通常であれば仲介手数料、未経過固定資産税など。逆に含めないものは、租税公課、司法書士代、収入印紙代、管理費・修繕費積立費火災保険料など購入時に損金計上できるものです。
今回は仲介手数料21万円、固定資産税は4.5万円としましょう。

ちなみに仲介手数料も土地建物一括の場合、固定資産税評価額からの按分が必要です。

それでは条件が揃ったので、計算していきましょう!

実際に計算してみる

購入価格は500万円とします。

  • 償却率
    まず耐用年数を計算します。47年(RC造の法定耐用年数)×20%=9.4年
    1年未満は切り捨てですので、耐用年数は9年です。国税庁が発表している耐用年数9年の償却率は0.112となります。
  • 取得価額
    固定資産税評価額が、土地300万円、建物300万円としましょう。

    土地の取得価額が、500万円×300万円÷(300万円+300万円)=250万円
    建物の取得価額が、500万円×300万円÷(300万円+300万円)=250万円

    となり、建物の取得価額は250万円となりました。
    土地も計算しましたが、減価償却費できるのは建物のみです。

    そして仲介手数料も同様の式で計算すると、建物分が10.5万円です。これと固定資産税4.5万円を加えた265万円が取得価額となります。
  • 500万円の減価償却費は
    あとは単純な掛け算です。
    減価償却費=取得価額×償却率ですので、265万円×0.112=296,800円

    初年度から296,800円ずつ8年間償却していくと、9年目には275,600円が残るので、275,599円を償却して残存簿価1円とします。
    なお、計算後の端数は切り捨て、切り上げ、四捨五入のどれでも構いません。年度途中に購入した(初年度の使用期間が12カ月ではない)場合は月割りで計算します。

まとめ

今回のシミュレーションは購入価格が評価額より下回ったパターンでしたが、購入価格が評価額より上でも計算方法は変わらないです。

また、契約書に土地・建物の値段が掲載されているのであれば、当然それが一番正しいです。しかし、土地10万円、建物490万円のように極端に建物の値段が大きい場合は取得価額として認められない事もあります
いまだにこれを謳う仲介業者もおりますので、くれぐれも契約時には簡単にサインしないよう、よく中身を理解した上で契約される事をおすすめします。

今回は以上です。

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