閉鎖登記簿とは?ネットで見られない履歴の取得方法と活用術

物件選び・内見ポイント
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こんにちは。ikio(@ikio04731250)です。

不動産投資を始めると、登記簿謄本を取得する機会が多くなると思います。
「登記情報提供サービス」を利用すれば、インターネットで手軽に取得できるため、物件検討の際にとても便利ですよね。

参考記事はこちら
登記簿謄本を取得してみた

しかし、ある一定時期より前の登記簿情報は、このように電子化(コンピュータ化)されていないことをご存じでしょうか?

例えば・・
・旧所有者の取得時期や過去の抵当権設定額を知りたいとき
・土地の変遷(もともと沼地や工場だった等)を調べたいとき

・抵当権の履歴が途中から消えている

このような昔の記録を調べる際、閉鎖登記簿が必要になるケースが少なからずあります。

本記事では、電子化前の「閉鎖登記簿」の概要と、その具体的な取得方法・活用術についてまとめました。

物件がいつ電子化されたか見るべき箇所

お手元に築30年以上の登記簿謄本(登記事項証明書)があれば、表題部に「平成17年法務省令第18号附則第3条第2項の規定により移記」といった記載がないか確認してみてください。

これは、紙の登記簿(バインダー管理など)からコンピュータのデータ(登記記録)へとシステム移行する際のルールを定めた規定です。

つまり、この記載は「過去の紙の登記簿から、現在の電子データへ移し替えられたこと」を示しています。
時代の流れに合わせた施策ですが、2000年代に入ってからの完全移行と考えると、少しのんびりしたペースに感じられるかもしれませんね。

なお、この表題部には上記の記述とセットで日付が印字されています。
まさに「この日に紙から電子化を行った」という記録です。




※特定できる部分は黒塗りにしています。

電子化前の情報はどこへ?

電子化によって便利になったのは間違いありません。

しかし、ひとつ大きな落とし穴があります。
それは、移記日より前に消滅した権利などの情報は、インターネット(登記情報提供サービス)では確認できないということです。過去すべての記録がそのままデータ移行されているわけではありません。

電子化前の古い記録を確認するためには、従来通りの紙ベースの記録を辿る必要があります。

この電子化されていない過去の記録を「閉鎖登記簿」といいます。
法務局で交付請求書を書いたことがある方は、用紙の下部に小さい文字で「□ コンピュータ化に伴う閉鎖登記簿」というチェック欄があるのを見たことがあるのではないでしょうか?

ここにチェックを入れて請求することで、紙ベースの閉鎖登記簿の写しを取得できます。

明治〜平成初期あたりの古い履歴を確認する際には、この「閉鎖登記簿」という仕組みを覚えておくと非常に役立ちます。

閉鎖登記簿の取得方法

では、具体的な取得方法です。主な方法は2通りあります。

① 物件の管轄法務局に出向く
該当物件の管轄エリアの法務局へ行き、直接請求する方法です。
通常の登記簿謄本と同じく「交付請求書」を記入し、窓口で手数料(収入印紙)を支払って取得します。
ただし、現地まで足を運ぶ必要があるため、遠方の物件だと少々大変です。

② 郵送で請求する
交付請求書をダウンロードし、管轄の法務局へ郵送する方法です。

【同封するもの】
・交付請求書
・返信用封筒(宛名記載・切手貼り付け済)
・収入印紙(1通600円/要事前確認)

郵送前に法務局へ電話し、地番を伝えて「閉鎖登記簿が残っているか」をあらかじめ確認しておくのがおすすめです。
発送から1週間ほどで写しが返送されてきます。
複雑(枚数が多い)な登記簿の場合は返送用封筒が膨らむため、角2封筒(A4が入るサイズ)を用意しておくと安心です。


※引用:法務局ホームページ(登記事項証明書 登記簿謄本・抄本 交付請求書


いずれの方法であっても、局員の方が「データ化されていない手書きの登記簿を探す」「1枚ずつ手作業でコピー・製本する」という工程を踏みます。
そのため、通常よりも発行に時間がかかるケースがあります。スケジュールにはゆとりを持って動きましょう。

特に分譲マンションの敷地など、数十〜数百人で共有している土地の登記簿は時間がかかりやすいと言われています。

閉鎖登記簿の活用方法

以前、ある更地が200万円で売り出されていました(※)。
「50坪で200万円なら割安かも?」と思い、買付の準備をしつつネットで登記簿謄本を上げてみたところ、平成20年某日より前の履歴が記載されていませんでした。

※相続案件。安すぎるのでしっかり調査することに。

昔から安い土地だったのでしょうか?それとも何か理由があって価値が下がったのか?

そこで、のような経緯で現在の価格になったのかを知りたくて、「閉鎖登記簿」を取り寄せてみたところ、平成2年に600万円の抵当権設定があり、当時は金融機関がそれだけの評価をしていたことが分かりました。
しかし、平成2年=西暦1990年といえば、いわゆるバブル期のピークで、実効性のない「過剰融資」だったケースも散見されます。
その後30年以上かけて200万円まで下落したという事実から、現在の需要や出口戦略を慎重に考える材料になりました。

・・まあ、結末を言うと。
現在の積算や人口動態などの調査結果と合わせて今後も価値が下がり続けると判断し、購入を見送りました。


これは「買わなかった事例」ですが、ほかにも以下のような調査に活用できます。
・合筆前の土地調査
・私道の変遷
・工場跡地(土壌汚染リスク等)の確認

など、土地の履歴を確認することで様々な活用方法に繋がる可能性もあります。

土地の根本的な履歴を読み解くことで、リスク回避や価値の再発見につながる可能性があります。

あと、余談ですが、この閉鎖登記簿・・とても達筆です。
読むだけでもそれなりに大変かもしれませんw

まとめ

今回は「コンピュータ化前の閉鎖登記簿」について解説しました。

なお、平成後期〜令和に合筆・滅失した登記簿も「閉鎖登記簿」と呼びますが、これらは電子化後のものなので登記情報提供サービス等でもネット取得が可能です(有料)。

閉鎖登記簿は一見、過去の遺物ですが、物件の現況やストーリーを読み解く重要な手がかりになります。
特に「乙区」で過去にどれくらいの債権額(抵当権)がついていたかを見ることで、当時の土地の評価額を推測するヒントにもなります。
時代が変われば価値も変わるため、あくまで参考値ですが!

ネットで取得できる登記簿だけでは分からない情報は意外と多くあります。
古い土地ほど、閉鎖登記簿を一度確認するだけで新たな発見があるかもしれません。

今回は以上です。

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