こんにちは。ikio(@ikio04731250)です。
これまで、サラリーマンの資産形成手段として高い人気を集めてきた不動産投資。
会社員という「安定した属性(信用力)」を活かして金融機関から融資を受け、少ない自己資金で数千万円、ときには億単位の物件を購入する。
家賃収入を得ながらローンを返済し、長期的に資産を築いていくという手法です。
特に、数年前までの超低金利が続いていた時代には、このハイレバレッジを活用した不動産投資は「誰でも手軽に始められる!」と大いに賑わいました(ikioもその一人ですがw)。
しかし、その前提となる状況は一変しつつあります。
日本も本格的な金利上昇局面に入り、これまで当たり前だった低金利での資金調達は困難になってきました。
結論から言うと、「今から一般的なサラリーマンが大きな借入をして不動産投資を始めること」は、個人的にはおすすめできません。
今回は、なぜそう考えるのか、その理由について深掘りしてみたいと思います。
金利上昇によって不動産投資の収支は厳しくなる
サラリーマンの不動産投資が人気だった最大の理由は、会社員の信用力を利用して大きな融資(レバレッジ)を受けられることでした。
ところが、金利が上昇すると状況は一変します。
不動産投資は借入金額が大きいため、わずかな金利変化でも月々の収支に与える影響は甚大です。
例えば、自己資金500万円で5,000万円の不動産を購入するケースを考えてみましょう。
■借入金額5,000万円・35年返済(元利均等)の場合の概算
自己資金は諸経費として拠出するものとします。
| 金利 | 毎月返済額 | 金利1.0%との差額(月額) |
| 1.0% | 約14.1万円 | 基準 |
| 1.5% | 約15.3万円 | +約1.2万円 |
| 2.0% | 約16.6万円 | +約2.5万円 |
| 2.5% | 約17.9万円 | +約3.8万円 |
| 3.0% | 約19.2万円 | +約5.1万円 |
金利が1.0%から3.0%に上昇するだけで、毎月の返済額が約5.1万円も増加してしまいます。
まぁそれ以前に、実績ゼロのサラリーマンが初手で1%台の融資を引き出すこと自体、元々相当な自己資金がない限り非常に難易度が高いのが現状です。
毎月のキャッシュフローが数万円程度しか残らないような余裕のない物件であれば、金利上昇によって一発で赤字へ転落します。
残念ながら、家賃は金利上昇に合わせてすぐ値上げできるわけではありません(特に地方物件はなおさらです)。
ここが不動産投資の難しいところですよねぇ。
また、忘れがちですが「レバレッジは利益だけでなく、損失やリスクも拡大させる」という点にも注意が必要です。
退去が発生して数か月間空室になっても、金融機関への返済や固定資産税の支払いは止まりません。最近では資材高騰に伴い修繕費も跳ね上がっています。
資産を増やすために始めた不動産投資が、いつの間にか毎月の家計を圧迫するお荷物になってしまうリスクは常に頭に入れておく必要があります。
これからは物件価格の下落リスクにも注意が必要

※AI生成イメージ
金利上昇の影響は、毎月のローン返済だけにとどまりません。
物件自体の「価格」にも波及します。
一般的に、金利が上がると投資家の資金調達コストが増加するため、期待する利回り(キャップレート)が高くなります。
その結果、収益不動産の売買価格には下落圧力がかかりやすくなります。実際に都心部ではタワマンを中心に価格下落のニュースが散見されます(まぁこれに関しては海外資本などの要素があってこそですが)。
仮に購入時より不動産価格が下落してしまった場合、運用を諦めて売却しようとしても、「売却価格がローンの残債を下回る状態」に陥り、手持ちの現金から持ち出さなければ売ることもできなくなります。
ここが特に、自己資金が少なく、借入割合の高い投資では注意が必要です。
今からサラリーマンが不動産投資を始めるべきではない理由
ここまで説明してきたように、現在の不動産投資環境はかつての低金利時代とは大きく異なります。
主な理由は以下の3点に集約されます。
・金利上昇によるキャッシュフロー悪化リスクの高まり
・キャップレート上昇に伴う物件価格の下落・含み損リスク
・建築・修繕コスト高騰による突発的な支出増
もちろん、「すべての不動産投資がダメ」と言いたいわけではありません。
潤沢な自己資金があり、借入比率を低く抑えられ、金利上昇や一定の空室・修繕リスクを織り込んでも十分に利益が出る良質な物件であれば、今でも投資の選択肢になり得ます。
つまり、「時代に合わせて勝てる戦略が変わった」ということですね。
・会社員だから融資を受けられる
・自己資金が少なくても手軽に始められる
・家賃収入でローンを返済していけば勝手に資産になる
数年前の過去環境のノウハウではないですか?
このような過去の常識を鵜呑みにして安易に参入するのは、非常に危険であると言わざるを得ません。
特に都市部では表面利回りで6~7%の物件も珍しくありません。
新築・築浅で確かに融資は出るでしょう。
しかし、ここから運営費(BM、PM、修繕費、入退去費用)や税金(固定資産税、所得税、法人税など)が差し引かれます。結果、物件価格に対するNOI利回りは表面利回りを大きく下回りますよね。
さらに、借入金利が2~3%で、借入比率も高ければ、元本返済まで考慮したキャッシュフローはかなり厳しくなることが想像できると思います。
まとめ
潤沢な金融資産を既に持っている方や、親世代からの相続資産があるなど、一部の「持てる者」を除き、「持たざる」サラリーマンが安易に不動産投資で一発逆転を狙う時代は終わったのかもしれません。

少なくとも、「低金利前提・少ない自己資金・フルローンでレバレッジを効かせる」という一昔前の手法は、今後ますます立ち行かなくなるんじゃないですかね?
個人的には、今の環境下で一般的なサラリーマンが多額の借金をしてまで不動産投資を始めることは反対です。
ikioも2025~26年は現金購入しています。
▶“借金で拡大”はもう古い?金利上昇時代の現金購入
「融資が下りるから買う」のではなく、「厳しく見積もっても利益が出る根拠があるから買う」という思考を持たなければ、厳しい市場で生き残ることはできません。
融資が出る=儲かる、では決してないのですから。
不動産投資においては、「買わずに見送る」という判断も立派な投資戦略です。
焦って無理な借金を背負う必要はありません。
これからは物件を買う能力だけでなく、買わない判断ができる能力も、不動産投資家には求められるのではないでしょうか?
まぁ、代わりに今できること・・。
たとえば、自己資金を厚めに貯めておく。ポータルサイトに出ない水面下物件の開拓に集中する。などの次に備えたアクションを行うのが良いかと思います。
今回は以上です。