こんにちは。ikio(@ikio04731250)です。
投資や資産運用をする方は誰しもが「新築ワンルーム買いませんか?」という話を聞いた事があると思います。
それだけメジャーな話ではありますが、メジャーだからといって人気があるのか?儲かる方法なのか?と言われればそうではないのが現状です。
事実、マンションの中の1室だけを所有するワンルーム投資は、1棟よりも初期資金が少なく始められ、物件数も多く流動性も高い事から初心者でも取り組みやすい方法の一つです。
しかし、結論から言うと初心者が取り組んで儲けが出る可能性はかなり低いです。
いくつか理由はありますが、大きな部分として物件価格が高騰している事が主な理由です。
昨今の建材費の上昇に加えて、今まで不動産運用に興味のなかった・避けていた層が流入してきたことによる競争も価格高騰の要因ではないでしょうか。
ワンルーム投資で言われるあれこれ
よく仲介業者が使うセールストークとして、
・今後(都市部のマンションは)価格が上がる
・家賃保証がついているので損をしない
・税金対策として効果がある
・保険金代わりになる
などですね。
先に言っておきますが、全てを否定するわけではありません。
上場企業役員や士業で、現金一括で購入できるほどの資産があれば、実際に儲けはでるでしょう。
しかし、そんなごく一部の人のみが購入していたら流動性なんてないわけですが。そう、実際にはその方らの何倍もいる普通のサラリーマンも購入しているから成り立っているビジネスです。そもそも、ワンルームは投資目的でしか買いません。自分で住むなら、同じお金で郊外に一軒家持ちますよね。
失敗する人に共通している事でしょうが、人生で1、2番目に大きな買い物をするわりにあまり調べず業者の言う通りに動いてカモになっている方も多いわけです。
特に購入の時には興味津々で、購入後の経営に興味がない人が「不動産投資でローンが払えず大損」と大騒ぎしているように見受けられます。
都市部であれば資産性が高いので問題ないのでは?
仲介業者の言う事を鵜呑みにしてないでしょうか?
そもそも資産性とは何か。収益を得られる資産の事ですよね。では、ワンルーム投資を「インカムゲイン」「キャピタルゲイン」で考えてみましょう。
不動産投資におけるインカムゲインとは家賃収入の事を言います。この収入源から毎月のローン返済を引いた手残り分がそれにあたります。
仲介業者の出してくるシミュレーションでは毎月の手残りは数千円、もしくは赤字になっていないでしょうか?
もうこの時点でインカムゲインとして微妙ですが、更に「家賃保証するので収入が途切れず安心」という甘言にも注意です。家賃保証額は相場の8〜9割ほどなので、元々数千円しかない手残りではもう赤字確定ですね。
以下はフルローンを組んだ場合という事で、実際に見せられたシミュレーションです。
80,000円(家賃収入)ー 65,000円(ローン返済)ー 10,000円(管理費・修繕積立金)=5,000円
また、家賃や家賃保証は経年により下がりますし、それに毎年、固定資産税、損害保険料も別途かかる事も考慮する必要があるでしょう。
仲介業者のシミュレーションでは今後数十年家賃が下がっていないものもあります。これは騙す気満々ですよね。
また、これもシミュレーションから抜けてますが、経年による修繕やリフォームも必ず必要になってくるでしょう。
(5,000円 × 12ヶ月)ー 5万円前後(固定資産税)ー 1万円前後(火災保険料)=0円
わずかに残ってた手残りですが固定費を引いたら、なんと利益が消えました。
中には赤字は出せるだけ出したらOK、むしろ節税の為に赤字をつくる!とか訳の分からないシミュレーション出してくるところもありました。
まぁ、インカムゲインとして考えるとまったく期待できません。
では物件売却によるキャピタルゲインとしては利益がでるでしょうか。
確かに都市部では今も地価は上がり続けてますので、売却による利益は高い確率で見込めるでしょう。
しかし、この上昇志向が未来永劫いつまでも続くのか誰にもわからないですよね。そして、売却のタイミングによっては税金として納める金額が多くなり、儲けが出ない事があります。
これから新しく新築ワンルームを購入したとして、評価が下がったからと急いで売却しても残債に届かない…。あわよく利益が出たとしても短期(5年以内)で売却したら売却益の約40%を税金で取られる…。などなどトラブルは多いわけです。
そもそも新築は購入後に中古の扱いになりますので、3割以上価値が落ちることもあります。これを上回る売却益なんて狙ってできるでしょうか?
それなら投資目的でも自分で住むにしても、最初から中古のマンション買った方が良いような気がしません?もちろん現金で。
節税としての効果は?
資産性として微妙だけど、節税になるなら…と少し惹かれるのも分かる気がします。
確かに仲介業者が言うような節税の還付も得られます。しかしながら、普通のサラリーマン・公務員であればほとんど効果は得られません。
一応、減価償却も考えてみます。帳簿上の損失なので、実際には赤字になっているわけではないですが、
3,000万円で購入。内、建物部分が1,500万(50%)とすると、
1,500万円 ÷ 47年(法定耐用年数) =約32万円
と、3,000万円の物件だと、47年の長期で償却するので毎年32万円程度しか経費計上できないです。
節税を考える年収の方には大した効果が期待できないですね。まぁこれに加え税金やその他経費も費用として計上できますが、建物の償却が一番大きいのでまぁ効果は薄いでしょう。
保険代わりになるって話は?
ローンを組む際に団信に入るから生命保険に入る必要がないという話でしょう。
それも間違いではないですが、儲からないこの物件を完済まで何十年も持ち続けるのですか?これが有効になるのは購入直後に自身に不幸があった時だけです。
まとめ
ここまでは世間一般的に言われている事を書いています。
しかしこれは過去の事ではなく、令和の今現在もこの営業は行われています。
ikioも何社もの仲介業者にワンルーム投資を紹介されました。
これはikioにも問題があり、「自分は初心者です。不動産投資に興味があります。何か紹介してください」とお客さんの立場として振る舞っていたのが原因です。そりゃカモられます。
あくまで「自分は不動産投資家としてビジネスをしています。こういう条件の物件を探しています」という対等な立場で話をしなければいけませんし、そもそもシミュレーションは自身で行って判断する必要がありました。
不動産に限らず、投資・資産運用は自己責任です。
これを読んでワンルームでもいける!という人もいるでしょう。でも個人的にはせっかくお金を使うのであればもっと有効に運用していただきたいなとは思います。
今回は以上です。
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