高利回り団地リノベは本当に儲かる?空室10ヶ月の記事を考察

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こんにちは。ikio(@ikio04731250)です。

不動産投資ポータルサイトの「楽待」で、神戸市北区にある団地をリノベして利回りを上げたという記事が先日公開されていました。

▶50万円の「腐りきった」団地フルリノベで利回り19%、「尖った」内装で入居を狙った結果…
※詳細は各自検索してみてください。無料会員でも全文読むことができます。

このリノベは企画としては非常に面白いと思いました。ただ、現在10ヶ月空室になっている理由は「ターゲットを絞りすぎたこと」と「出口戦略の弱さ」にあると考えます。
ikioも同エリアで同じような団地物件を保有しているので、この記事を読んで思うところがあり、所感をまとめてみました。

今回は自分の物件ではなく他人の物件運用のお話ですので、その運用方法に対する一意見としてお付き合いください。

記事の概要

50万円で購入したボロボロのRC区分を、「40代・IT企業勤務・バイクを愛する独身男性」をターゲットにして改装した。

ファミリー向けの安めの物件が中心のエリアだが、「まだ見えていない需要」を狙い、少し家賃が高くても周りにはない物件に仕上げたという。内装の色や柄、家具までこだわりぬき、買値を含め総額500万円で利回りは約19%となった。

記事を引用しますと、リノベするにあたり「あえて」ターゲットを絞ることで入居付けをしやすくする戦略を取られたとのこと。

・購入価格:50万円
・リノベ総額:425万円
・家具(ステージング用)その他費用:25万円
※購入諸経費や仲介手数料は記載がないため、本文中の数値を抜粋。

買値を含めた投資総額は約500万円で、表面利回りは約19%。数字だけ見ればかなり優秀な案件です。

周辺の家賃相場が4〜5万円のところ、9万円で募集を出し、短期で2回ほど狙い通りのターゲットで入居が決まったそうですが、現在は10ヶ月ほど空室が続いているとのこと。

ここからikioの考察です。

エリアの考察

神戸市北区で家賃4〜5万円台のエリアといえば、いくつか候補が浮かびます。
共通しているのはバブル期に山を切り拓いて建てられた団地で、RC造とはいえ築50年前後経過している点です。

坂道は多いものの交通網は整備されており、バスで最寄り駅までアクセス可能。団地内や周辺の道路もしっかりしているため、車があれば生活自体にそこまで不便はありません。
ただし区全体で高齢化が進んでおり、現役世代が他市町村へ流出しているケースも散見されます。

現在は1,000万円弱で売却に出しているようですが、この価格帯になると周辺では平成築の中古戸建が買える感覚です。

運用戦略自体は明確ですが、個人的には出口(売却戦略)がやや弱い印象を受けました。

写真を見る限りとても魅力的なリノベーションですが、駐車場代(月額5,000円程度)が発生することを考えると、車やバイクが本気で好きな層はガレージ付きの中古戸建を借りるか、購入に流れる気がします。

空室10ヶ月の理由を考える

■ターゲットに合った内装か
ペルソナである「40代・IT企業勤務・バイクを愛する独身男性」は、独身ではないものの、ほぼikioそのものですw

その当事者目線で見ると、内装のシック+ヴィンテージ風という仕上げには少し違和感がありました。
40代男性であるikioの感覚としては、正直この内装はあまり刺さらないと感じます(完全に主観ですがw)。

バイク(機械)好きな男性であれば、内装自体はモダンでシンプルなフラット仕上げで十分であり、そこに自分のこだわりの家具(スチールラック、ストレージ、ガジェット類など)をどう配置するかを楽しむのではないかと思います(完全に主観ですがww)。
主張の強い柄物クロスも、好みが分かれやすいポイントです・・。


■こだわりがズレているかも
元がボロボロだったからこそ、スケルトンにして間取り変更や設備更新を行った判断は正解だと思います。
仕入れが50万円と激安だったおかげで、総額500万円に収まっているのも費用対効果が高いです。

ただ、内訳を見るとクロス、ヴィンテージ家具、カウンター洗面台など、後から追加した装飾要素ほどオーナー個人の好みが強く反映されている印象を受けました。

これらはシンプルな仕様に抑え、その分「給排水管の交換」など目に見えないインフラ部分にコストをかけるべきだったのではと感じます。
記事からは確認できませんでしたが、凍結リスクもある地域なので、住み始めてからのトラブルが懸念されます。

表面のデザイン性よりも、生活環境の根本的な改善にこだわりを注ぐ方が長期的な満足度につながるはずです。


■共用部とのギャップ
専有部をいくら格好良く仕上げても、一歩外に出れば築古団地の外観そのものです。ここは相場通りの4〜5万円物件と変わりません。
戸建であれば外観も含めて丸ごとトータルプロデュースできますが、区分マンションだとどうしても専有部と共用部の落差(中途半端感)が出てしまいます。

ikioが成功させた「再現性重視」のアプローチ

実はikioも、過去に似た条件の案件を手がけたことがあります。
・築古団地
・リノベで間取り変更
・家賃を引き上げる

結果として相場より+27%高い家賃で決まり、現在は安定稼働しています。
その際に意識したのは以下の点です。

■ターゲットを絞りすぎない
65㎡ほどのファミリー向け間取りだったため、仕上げは誰にでも受け入れられる「無難な白クロス」をベースにしました。
眺望が良い部屋だったので、リビングの一部にだけ爽やかなアクセントクロスを採用しています。結果的に、1組目の内見で即決まりました。




■こだわりは最小限、「普通に快適に住める」を最優先
老朽化した設備やクロスは新品に交換しましたが、念頭に置いたのはあくまで「普通に住みやすいこと」です。
デザインの新鮮さは時間とともに薄れますが、住みやすさは毎日価値を感じられることですから。


■家賃はそれでも控えめに
どれだけ内装を磨いても、外観の古さや立地条件は変えられません。相場から極端に浮いた強気の家賃設定は持続しにくいのが現実です。
バリューアップが家賃に転嫁できる限界値を見極め、自分のこだわり以上に客観的な数値で判断することが重要だと考えています。

もともと「需要のなさそうな場所に新しい需要を掘り起こす」というコンセプトで企画されたリノベのようなので、アプローチの出発点自体がikioとは異なります。
そのため、「こうしたらいいのに」という指摘ではなく、この項は比較のためのサンプルという位置づけで考えてください。

まとめ

とはいえ、実際に過去2回の入居実績をつくられたわけですから、コンセプト刺しという戦略自体は一定の成果を上げていると言えます。
潜在需要を掘り起こす企画力や行動力は素直に見習いたいポイントです!

ただし、10ヶ月の空室が続いている現状では、毎月の管理費や修繕積立金がボディブローのように効いてきます(おそらく月1.5万円前後、10ヶ月で15万円の持ち出し)。もし融資を使っていた場合はさらに厳しい資金繰りになるでしょう。

「高利回りを実現するリノベ」と「長期安定経営を実現するリノベ」は必ずしも同じではありません。ikioは後者を重視しています。

楽待のコンテンツは初心者投資家も多く閲覧しています。
「尖ったリノベで高利回り」という魅力的なワードだけに目を奪われ、いきなり一発目から大がかりなリノベに挑戦して行き詰まってしまう・・といった失敗に陥らないよう、冷静な目線を持つことが大切ですね。

今回は以上です。

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