こんにちは。ikio(@ikio04731250)です。
物件内見をしてきましたので、記録用に残しておきたいと思います。
今回は100万円という価格だけを見ると「激安物件」です。しかし現地を見て5分で買わないと決めました。
それでは早速いきましょう。
物件概要
- 物件価格 100万円
- 場所 明石市
- 築年数 鉄骨55年
- 専有面積 63㎡
- 階数 1階:店舗、2階:住居(2DK)
- アクセス 最寄り駅から徒歩5分
- 駐車場 なし
- 環境 屋根付き商店街の角地。駅から物件までは平坦な道。周辺には住宅街あり。駅近のためコンビニやクリニックはあるが、大型スーパーなどはなし。
今回は商店街内にある、店舗付き住居の区分所有物件です。
「商店街」とはいえ、いわゆる郊外の寂れた商店街でシャッター率がかなり高い状態でした。その原因として、エリア的に車社会であるにもかかわらず、敷地内に駐車場がないことが考えられます。
最寄り駅の乗降客数も1日2,000〜3,000人前後と、正直なところ集客力としては少し弱めです。
幹線道路が近いため駅前には新しい店舗もそれなりにありますが、それらはやはり駐車場完備となっています。
エリアのテナント賃料は50~100㎡で10~13万円くらいの立地になります。
条件だけで考えると、店舗よりも住居もしくは、倉庫としての需要の方がまだ見込めるかもしれません。
内見
物件の場所は商店街の角地で、アーケード屋根があるため雨に濡れることはありません。利用者の利便性は高そうです。
また、物件の目の前が公道ということもあり、人の目に触れやすい立地でもあります。
ただし、この商店街は広い敷地があるにもかかわらず、ほとんどの店舗がシャッターを下ろしています。
正確に数えてはいませんが、全体の約40店舗のうち店舗名の記載があったのは17店舗。シャッター率は約58%です。(営業されている店舗さんは活気がありました)
ここからは、実際の内見で感じた所感をまとめていきます。
■外観
商店街の中は一棟ごとに独立しているわけではなく、すべて連棟構造です。街区一体がひとつの商店街として営業していたのでしょう。昭和レトロな雰囲気が漂う「横丁」といった印象です。
電灯が点いている通りはシャッターがずらりと並び、近隣住民の抜け道として使われているようでした。ところどころに椅子が置かれ、休憩できるようにもなっています。
一方で、電灯どころか天井が落ちており、通路が自転車やダンボールなどのゴミ(?)で溢れている通りもありました。
廃墟感が凄まじく、普通に危険な状態です。全体としてかなり寂れた印象を受けました。
■入口
対象物件も空室のため、シャッターが下りています。
共用部である天井付近には穴が開いている部分もありました。なぜか、物件シャッター前に近隣店舗の商品と思われる自転車が並べられていました。
■天井
雨漏りが発生しており、一部は天井が崩落しています。鉄骨屋根の雨漏りによるサビ(構造強度の低下)も気になるところです。
■床
残置物がそこそこあるため、避けて歩くのが一苦労でした。全体的に床がふかふかしており、雨漏りで水浸しになった跡も見られます。踏むと底が抜けそうな状態でした。
■壁
板張りですが、こちらも雨漏り被害がひどく剥がれ落ちています。住居部分は和室ですが、土壁の上に無理やり壁紙を貼っているようで、それが剥がれてきていました。
■窓
採光は十分に取れています。しかし、アルミサッシが歪んでいるため開閉ができません。
■水回り
キッチン・トイレ・給湯器は、さすがに建築当初から一度は刷新されているようでした。それでも20年以上前のもののようで、蛇口にはサビが浮いています。
浴室は在来工法でタイルの割れこそないものの、そのまま使用するのは難しそうです。
最低でも一度スケルトン解体を行い、雨漏り修繕をする必要があります。
■利回り試算
・店舗の場合
5万円(予想賃料)×12カ月=60万円/年
150万円(購入総額)+400万円(リフォーム費用)=550万円
60万円÷550万円=約10.9%
・住居の場合
6万円(予想賃料)×12カ月=72万円/年
150万円(購入総額)+600万円(リフォーム費用)=750万円
72万円÷750万円=約9.6%
・・う〜ん、全然面白くありませんね。
しかも、予想賃料はかなり強気(アッパー)での試算ですので、実際はさらに▲1〜2%は下がる覚悟が必要です。
それでも需要がありそうなら・・とも考えましたが、今回は見送りました。
見送りの理由
単純な数字(利回り)だけなら、正直勝負できないわけではありません。
しかし、それ以上に大きな問題があります。それが「連棟の区分所有」という点です。
本物件は専有部分のほかに、共用部分の持分が発生します。
つまり、仮にこの商店街全体の建て替え話が持ち上がった場合、各所有者に連絡を取り、全体の3/4以上の賛成を得る必要があります。
・・果たして、この広大なシャッター商店街の何人と連絡がつくのでしょうか(※)。
すでにその影響は出ていますね。
共用部の天井は安全面から修繕が必要と思われますが、現時点では修繕されていませんでした。
背景事情は分かりませんが、権利関係の複雑さも一因となっていると考えられます。
※2026年4月施行の改正区分所有法により、一定の要件を満たす所在不明所有者を除外して決議を行うことは可能になりましたが、それでも一定数の出席が必要となるためハードルは高いままです。
これはikioの推測ですが、仮に交渉がうまくいって建て替えが決まったとしても、このシャッター率では建て替え費用を捻出できない所有者が多数を占めるのではないかと思います。
結論として、「物件単体でみれば絶望的とまではいかないが、周囲の環境や権利関係まで含めて考えると厳しい」と判断し、見送りとしました。
まとめ
こうした課題は全国で散見されます。
神戸市中心部の「神戸三宮センター街」ですら、一体構造や区分所有に起因するさまざまな課題から、再整備が進んでいません(※)。
規模こそ違いますが、明石市郊外の本物件では、さらに合意形成のハードルは高いように感じました。
※出典:国土交通省(都心三宮の再整備について)
仲介業者には、

(自用倉庫として気持ち的に妥協できる※)
30万円なら買付入れますよ。
と伝えましたが、「まだ値下げしたばかりなので・・」と軽く怒られてしまいましたw
※農業事業用のハブ倉庫として明石市にあると非常に便利なので。30万円なら個人的に納得の価格。
こうした商店街の区分物件は格安で売りに出されることが多いですが、「買えても運用面で苦労する」ことが容易に想像できます。
今回の物件でも、30万円でも自用倉庫だから検討できるレベル。投資としてなら見送りです。
「安いから」と飛びつく前に、周りの環境や権利関係にしっかり目を向け、現実的な経営シミュレーションを行うことが大切だと再認識させられました。
今回は以上です。
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